お部屋探しの時、図面や物件概要に記載されていることがある鍵交換代。これは入居時に鍵交換を行いそれを初期費用として請求されますが実際鍵交換は強制なのでしょうか。また、鍵交換代はいくらくらいかかるのか、法律上負担しないといけないのか、鍵交換代を免除する方法はあるのか見ていきましょう。
①鍵交換は必須なのか
そもそも賃貸の入居時に鍵交換は必須なのでしょうか。
答えは必須にしているところが多いです。
鍵交換を必須にしていなかったり大家さん(賃貸人)の負担で交換するケースもありますが最近では入居時に借主負担としているところが増え、主流となってきています。
この記事は入居時に鍵交換代を請求されている前提で解説していきます。
鍵交換代の相場は?
鍵交換は基本的にシリンダー(鍵穴)と鍵を一式交換することを言いますが相場は12,000~20,000円ほどです。
鍵のグレードやタイプによって値段は変わりますが特にディンプルキーと呼ばれるタイプが高くまた鍵穴が2つあるツーロックだと交換する部分が2つなのでその分高くなります。
②なぜ鍵を交換するのか
理由は大きく分けて⑴防犯上の交換と⑵鍵の経年劣化による交換による場合です。それぞれ詳しく解説していきます。
⑴防犯上交換
一人の入居者がずっと使っている分には防犯上問題はありませんがその人が退去後、新しい人が入居した場合、前入居者がもし鍵を持っていたら部屋に入れてしまいます。
もちろん前の入居者が退去するときに鍵は全部返してもらいますが前の入居者が鍵をコピーして持っていたらどうでしょう。また、他人が出入りできるように鍵を渡していたりその人がまた他の人に渡したりなどあまりないケースですがなくはないので防犯上交換が推奨されます。
男性の一人暮らしではあまり気にする人は少ないですがファミリーや同棲、女性一人暮らしの方は特に不安に思う方も多いので原則入退去があった際に交換するところが多いです。
学生の溜まり場になっていた部屋で借主が色んな人に鍵をコピーして渡していたせいで借主が退去して新しい人が入っているのに鍵を持っていた前入居者の友人が知らずに鍵を使って入ってきてしまって警察沙汰になったなんて事例もあります。
⑵鍵の経年劣化
鍵は使用していると徐々に擦り減ったり錆びたり汚れたり微妙に曲がったりしてしまいます。また、鍵穴も外に晒されているので劣化します。鍵の耐用年数は10年と言われていますが扱い方や手入れ・保存方法が悪いともっと短くなります。
劣化してくると鍵の開け閉めがしずらかったり、サビや汚れ、擦り減りで見た目も悪くなってしまいます。
もし劣化で開け閉めができなくなってしまったら一大事なのでそうなる前に交換するのが一般的です。
③鍵交換代は強制なの?
そんな費用まで負担したくない!という方もいると思いますが大家さんは入居条件に鍵交換代をいれることができるので入居条件にあれば鍵交換代を負担しなければなりません。
法律的にどうなの?
法律上や東京ルールでは鍵交換は原則賃貸人(大家さん)負担とされていますが入居の条件として借主に鍵交換代を請求することは事例として認められていて違法性はありません。
東京地裁でも、賃貸の鍵交換代をめぐり裁判になりましたが鍵交換代が入居者負担であることを合意していれば問題ないと判断された事例もあります。
④交渉で鍵交換代をなくす方法は?
確実に鍵交換代を免除できる方法はなく、交渉でなくせる確率は30%といったところでしょうか。具体的に方法を見ていきましょう。もし免除が難しそうであれば妥協点として大家さんと費用折半なども提案してみましょう。
鍵交換不要と伝える
何も言わなければ鍵交換するようにしているものの借主の要望があれば任意で鍵交換しないで良いというところもあります。ただ、この場合は鍵交換を行わないので防犯上不安な方は次の方法で試してみましょう。
鍵交換代無しなら契約したい
よくある仲介料や礼金を減額する交渉術ですが鍵交換代にも使えます。礼金や仲介料と違って不動産屋の報酬は引かれないので不動産屋も前向きに大家さんに交渉してくれるかもしれません。
⑤まとめ、不動産屋の観点
・鍵交換代の相場は1.2~2万円ほど
・鍵交換必須のところが増えている
・防犯上交換したほうが良い
・鍵は経年劣化する
・原則は大家さん負担
・鍵交換代請求は法律上問題なし
・交渉でなくすこともできる
いかがでしたか。鍵交換は防犯上や経年劣化で定期的に交換することが推奨されていて最近の物件の多くが鍵交換代を借主負担にしているのが現状です。ですができるだけ初期費用は少ない方が良いので交渉してみても良いと思います。また、入居時ではなく退去時に請求するところもあるので説明や表記を見逃さないように注意しましょう。