部屋探しで目にする保証金とはどういったお金のことを言うのでしょうか。また、敷金との違いは何か。保証金は退去時に返ってくるのでしょうか。見ていきましょう。
①保証金とは?
保証金とは賃貸物件を契約する時、初期費用として支払うお金です。大家さんに預けておいて物件を汚したり傷つけたりしてしまった補修費用や家賃の滞納金に備えての預り金としての目的があります。
また、退去時に発生するルームクリーニング費用もここから差し引かれることになっています。
②敷金との違いは?
敷金も保証金とは基本的にほとんど同じ意味合いを持っていて関東圏では『敷金』、関西圏では『保証金』と呼ばれているので単なる風習や呼び方の違いと言えます。法律上(民法)では敷金も保証金も『敷金』として分類されます。
ただ、預り金としての用途は一緒ですが、返還の方法に多少の違いがありますので確認していきましょう。
③保証金(敷金)は退去時返ってくる?
返還方法の違いをそれぞれ見ていきましょう。
敷金の場合
退去時に借主負担の補修や滞納が無ければルームクリーニング費用を預けた敷金から差し引いた残金を借主に返還します。もし、費用や滞納があって敷金を超える額になる場合は敷金は返ってこず、さらに超えた分を支払わなければなりません。
保証金の場合
保証金は敷金と同じように退去時にクリーニング費用や補修費や滞納があれば差し引いて残りを返還されますがそれらの費用とは別に『敷引き(又は償却)』という費用が引かれる場合があります。その敷引きの金額がいくらかによって返金額も異なります。
ほとんどの場合敷引きは関西圏での風習ですが稀に関東圏でも敷引きがあるので注意。
詳しくは次の項で説明します。
④敷引き(償却)とは?
敷引き(償却)とは保証金から無条件で差し引かれ、借主に返金されずクリーニング費用や補修費、滞納金にも充当できません。礼金とほぼ同じ性質があります。関西圏では礼金が無い代わりに同じ性質の敷引きが設定されている場合が多いので礼金ナシに目がくらんで敷引きを見逃さないように注意しましょう。分かりずらいので最近では関西圏でも敷引きではなく礼金で記載されているところも増えています。
敷引きの金額は何カ月分という表記の他に何万円という金額表記の場合も多いです。
敷引き額は契約前に要確認
敷引きや償却はあらかじめ募集図面や概要欄に表記されているのでお部屋選びの際はよく確認しましょう。最近では少なくなりましたが以前は敷引きでほとんど差し引かれクリーニング代さえも借主の持ち出しになってしまうケースも珍しくありませんでした。
関東圏では事業用の預り金を保証金と呼ぶ
関東圏では主に店舗や事務所の預り金を保証金と呼び、保証金から無条件で差し引かれる金銭を『償却』と呼んでいます。償却費はおおむね1か月分か保証金の20~30%ほどです。
⑤まとめ、不動産屋のアドバイス
・保証金とは補修費や滞納に備えた預り金
・保証金と敷金はほぼ同じ意味
・返還方法に違いがある
・敷引きは無条件で差し引かれる金銭
・敷引き額は契約前に要確認
いかがでしたでしょうか。保証金の精算方法は少し複雑で分かりにくいですが何も考えずに契約してしまうと退去時にトラブルになりかねないので契約前によく理解し、分からなければ担当者に正直に言って分かりやすく説明してもらいましょう。